見た目の元気さはあてにならないです。
理由は簡単で動物は「隠す」のが上手ですから。
ただ、動作の間に見える「違和感」を人間が感じ取れるかどうか、でしょう。
そしてそこでどう対応するかで運命が変わってきます。
よくあるのが「急にご飯を食べなくなった」と言う件。
こういう場合、ほとんどが急ではないです。
特に若い動物の場合は要注意でしょうね。
動物も隠しますが、飼い主さんも「大丈夫だろう」と油断しますから。
なにせ目の前で「ご飯を食べないけど走り回ってる」姿を見てますから。
しかし現実は残酷なもので
理由のいかんにかかわらず、食事をきちんと食べないということは
栄養を取り込めてない、ということで
これが長期化すれば体は「栄養不良」となるわけです。
そうなると体重は減ってきます。
体重=体力ですので、体重減少とともに体力が落ちてきます。
体力だけならいざ知らず、免疫力も落ちてきます。
そうなると「爆発」がおこるわけです。
全く食べない。
動けない。
ふらつく。
などなど。
こうなった状態から回復させるのはなかなか困難です。
時間がかかりますから。
しかしその間にドミノ倒し式に他の病気を併発することも多々あります。
よくあるのが、胆嚢炎からの膵炎合併です。
これは解剖学的には非常に正しい順序です。
そしてとても厄介な状態でもあります。
胆嚢炎ならば内科治療から開始して経過を診ることができますが
膵炎はそうはいきません。
何せ特効薬がありませんから。
今までに胆嚢炎から膵炎を合併した事例は何度かありますが
その場合には膵炎治療が最優先です。
ましてや胆嚢炎の手術などやってる場合じゃありません。
そしてこういうパターンをたどる動物はほとんどが
栄養不良です。
体力ありません。
免疫力低下してます。
だから治療する際には様々な想定をしながら薬の選択をします。
時間もかかりますが、お金もかかります。
それでも助かってくれればいいんですが
時に残念な結果になります。
だからこそ飼い主さんに言います。
「きちんとしたフードを選択して食べさせましょう」と
「おやつはやめましょう」とも。
これは獣医師であるがゆえに結果がわかっているから言えることなんです。
病院はショップではないので、いろんなフードやおやつを販売はしません。
健康管理に不必要なものは、ホントにいらないからです。
いらないものを買うということこそ「無駄遣い」だと思ってますので。
元気だけじゃなく健康でいて欲しいですよね?
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