蚊が出始めてから1か月後からです。
これは個人の意見ではなく、学術的見地からの正しい答えです。
どういうわけか
「そろそろ蚊が出てきますのでフィラリア予防をはじめましょう」
こんなフレーズを耳にします。
しかしこれは大きな大間違いですので。
そもそもフィラリア予防薬は体内に侵入してきた
感染子虫を殺すものです。
つまり体内に入ってきてから投薬する
「駆虫薬」なのです。
だから蚊が出てすぐに、でもないし
蚊が出るからそろそろ、と言うのも違います。
では早くから始めたらダメなのか?
ダメではないです。
少なくとも犬の体に問題はありません。
何だったら一年中飲ませても問題はありません。
しかし
「予防」と言う観点から言えば
必要のないときにも投与しているという事になるので
お金の無駄使い
になってしまいます。
12か月持続する注射薬があります。
これは1年に1回注射するもので
注射の時期はいつでも構いません。
便利でいいと思いますよ。
薬を飲ませる手間もないですし
飲ますのを忘れた、なんてこともないです。
ただ、予防期間ではない時期もそこに含まれるのは同じなので
やっぱり「無駄」が生じるな、と思うので当院では今のところ使用していません。
動物にかかる費用の事は色々と話が入ってきます。
個人的には「必要経費は致し方ない」と思ってますが
無駄がないように、といつも思ってます。
いくらかかっても構いません
こういうセリフを聞くことはあまりありませんので
私の考えは、世間の常識からそう外れてはないかなと思ってます。
本来、フィラリアの予防期間は学術的に規定されるものなので
各地方で統一されてないとおかしいんです。
同じ街でも病院が違えば投与期間が違うというのは
飼い主さんが混乱するだけでしょう。
それどころか
「早くしないと!」とか
「お宅はまだなの? ウチの先生は「早い方がいいって」言ってるよ」とか
こういう誤解が徐々に広がっているような気がしますね。
正しい予防期間は
「蚊が出始めてから1か月後から開始 蚊がいなくなってから1か月後まで」です。
だから、島根県の場合には
6月末から開始 12月末まで実施 です。
4月や5月は予防期間には入っていません。
蚊が出始めてから1か月後、ではないからです。
11月で終わってはいけません。
蚊がいなくなってから1か月後ではないからです。
一番大事なのは
いつから始めたか、ではなく
いつまで行ったか、です。
最終投与が一番大事なんですよ。
11月で終わってはダメなんです。
年によっても違いますが、12月の初旬でも気温が下がらずに
蚊が吸血活動をしているときがあります。
これがいなくなってから1か月後、となると
本来は1月に入りますけど
毎月1回投与という事から言えば
12月末が最終投与となります。
11月で終わっていて、フィラリアに感染してしまったという犬を
毎年数例ですけど診てます。
中には手術をした犬もいます。
こうなると何のために予防薬を与えていたか
これが疑問になってきます。
なぜならば、星の数ほどある犬の病気の中で
唯一、フィラリア症だけが100%予防ができる病気だからです。
5月から11月の投与期間では100%の予防効果にはなりません。
こういうことは獣医師会などが率先して規定してもいいと思うんです。
そうしないといつまでたっても各病院がバラバラなことをし続けます。
それは飼い主さんにとっても動物にとっても
決していいことではないです。
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