岡本動物病院

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院長のブログ

原因追究

院長 / つぶやき / 2017.7.4 23:16

バイオプシー検査が必要な場合があります。

当院でもよく行いますが、一番簡単なのは「針生検」。
これは体表に出来た腫瘤の検査で有用です。
例えばそれが良性なのか悪性なのか、これぐらいは
染色して顕微鏡を覗けば大体わかります。

さらに進んだ方法としては「パンチ生検」があります。
これは円形の刃が付いた器具を使って切り取ります。
針生検はちくっとするだけですがこちらは麻酔と縫合が必要となります。
こちらは針よりも取れる組織が多いのでそのままホルマリンに漬けて
病理検査へ提出します。
一番最近だと免疫介在性皮膚炎の原因追究のために行いました。
それまでいろんな可能性を考えて治療をしてたんですが
ステロイドのみに反応するのでこれは普通の皮膚病ではないなと思い
組織検査を飼い主さんに提案してから実施しました。

内臓の場合にも同じように組織検査を行いますが
内視鏡があれば、食道・胃そして頑張って十二指腸までは可能ですが
それ以降、つまり空腸・回腸は内視鏡が入りませんのでできません。
同じように肛門・直腸・下行結腸ぐらいは出来るでしょうが
盲腸付近になると難しいと思います。
先日、慢性大腸炎の症例があり組織検査を踏まえての試験的開腹を行いました。
当院には内視鏡がないので開腹となるんですが
この症例では盲腸〜上行結腸部分の異常がみつかり
結局上行結腸の一部の組織を採取しましたので
開腹して正解だったと思います。

通常の針生検は注射針を使いますが
専用の針を使えば体の中に出来ている腫瘤に対して
切開することなく組織を取ることも可能ですし
エコー下で採取することもあります。
また骨髄採取なんてのもできます。
しかしこれらの検査は決して容易なものではありませんので
一般の開業医では出来るとこは少ないでしょうね。

先日飼い主さんから「どこまでやるの?」と聞かれました。
当院では「可能なところまで」と答えました。
その可能性は知識と技術を研ぐことでレベルはどんどん上がります。
しかし決して無理はしてはならないと自戒しています。
検査のために命を危険に晒すわけにはいきませんから。
メスを入れないで出来ればそのほうが体にかける負担は少ないだろうとは思います。
しかし安全と言うことを第一に考えればメスを入れて切開することは
間違っていないとも思います。

例えば腎臓の組織検査や前立腺の組織検査などは
血管の多い臓器ですので針を入れるところを1つ間違うと大出血となります。
ではどうするのか、と言うと
当院ではこれらの臓器の組織検査はやりません。
これが一番安全ですから。
では検査はしないのか、と言うとそんなこともありません。
そういう場合にはエコー検査機械をフル活用します。
色んな角度からスキャンをかけ
機器に付属する機能をフルに使い
そこに異常なものがあるかどうかを見出すようにします。

これが「可能な限り」という事なんです。

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