岡本動物病院

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院長のブログ

腎臓を大切に

院長 / つぶやき / 2017.10.1 00:05

人でも腎臓病が多くなっているようです。

それも他の疾患治療用の薬によって腎臓が悪くなることが多いとのこと。

これは大雑把に説明すると
薬は投与されると代謝されて最終的に体の外に排出されます。
この排出経路が多く分けて尿と便になるわけです。
どちらが多いかと言うと尿に排出される薬の種類が多く
そのため腎臓は尿を作る際に薬剤の暴露を受けて
ダメージが残り、それが続くことで腎臓病が出来上がるという事です。

便に排出される場合には肝臓を経由して胆汁に混ざっていきます。
胆汁は胆嚢を介して十二指腸へ出され消化を助けるわけですが
胆嚢疾患を患っている場合には大丈夫なのか?という疑問がわくわけですが
これについてはメーカーにも確認しましたが
結論は「大丈夫」なんです。

肝臓と腎臓では再生力の有無が大きく違います。
肝臓は少々のダメージを受けても細胞が再生しますが
腎臓はいったん壊れると二度と元には戻りません。
だからまずは壊さないようにすることが大事で
次に腎臓に負担をかけるようなことは出来るだけ避けるというのも大事になってきます。

しかし他の臓器の疾患があり投薬を受けて治療をしていて
その副産物として腎臓に異常をきたすとするならば
これこそが矛盾と言えますし、困ったことになりますね。

ただ、獣医領域では薬によって腎臓病が引き起こされたというのはあまりありません。
なぜかわかりますか?

動物はそもそも薬が効かないんです。

これはショッキングなことに聞こえるかもしれませんが
例えば気管支拡張剤という薬の場合
成人の投与量は100mgになりますが、体重が50〜60kgと想定しています。
しかしこの100mgの錠剤は動物だと10kgの犬の投与量なんです。
体重換算だと動物は人の5〜6倍量という事になります。

これは薬に対する感受性の問題ですが
ざっくり言うとそもそも薬が効かないわけですから
副作用も出にくいという事になるんです。

例えば抗生物質でも3日分なんてのが人間の場合の処方ですけど
動物ではその程度で薬の効果を期待することはまずできません。
場合によっては、例えば細菌性膀胱炎の場合だと
最低でも2週間連続投与が必要とされていますし
経過によってはもっと長く連続投与が必要になってきます。

人間の方が敏感、と考えるのが正しいのか
動物が鈍感、と考えるべきなのか。

いずれにしても獣医領域で薬の副作用で、例えば腎臓が壊れたという事がないのは
動物の体の問題であり、少々乱暴な処方をされても彼らが耐えているともいえるかもしれません。

だからでしょうか。
乱暴な処方が目立ちます。
腎臓が壊れることは人間に比べて少ないかもしれませんが
副作用自体が全くないわけではないので
薬に投与については慎重に検討しなくちゃいけません。

ただ・・・
薬の添付文書を読まない獣医が多いのも
これまた事実です。
困ったことですけどね・・・・・

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