院長 / つぶやき / 2017.10.5 23:56

どこかによって動物の寿命が決まるような気がします。

今日、ある飼い主さんとお話をしていたところ
友人の方にシュナウザーを飼育している人が多いとのこと。

シュナウザーと聞くと獣医師がすぐに思いつくのは
胆嚢炎です。

欧州ではこの犬種が数多く飼育されていることもあるんでしょうが
胆嚢炎の症例報告の多くはシュナウザーです。
確かにその通りだと個人的にも思ってます。
また「シモの病気」も多いようで
メスならば子宮卵巣疾患、オスならば前立腺疾患
雌雄とも腎臓結石や膀胱炎が多くみられます。

シュナウザーを飼育しているご友人の方々は

「シュナウザーは寿命が短い」

そう思っている人が多いとのことで、実際どうなんですか？と聞かれまして
そんなことはありませんよ、と答えました。
ただし上記の疾患など放置すると命取りになるものもありますが
それらはその都度きちんと対処すればいいだけのことで
それが出来る獣医師にかかっていれば何ら問題はありません。

ハナから寿命が短いと思っているからかどうかわかりませんが
こまめにトリミングには行っているようで
お話をしていた飼い主さんは当院の指導通り
あまりシャンプーなどはしていませんので
まめなトリミングに疑問を持ちつつ
食事内容を聞いてみたところ、安物のフードを与えているようだったとのことでした。

安いからダメとは言いませんが
一般論としてフード類は「安かろう　悪かろう」です。

トリミングはつまり外見の事で、身ぎれいにするという事なんでしょうけど
過度なシャンプーは皮膚を傷めることが多々あります。
実際、当院で皮膚病の診察をする際、シャンプーが原因であることが多々あります。
また内臓疾患が原因で皮膚炎を起こすこともよくあります。

食事は、いつも言っていることですが「医食同源」の原則から考えれば
生命に直結するものですし、毎日の事です。
健康を願うなら一番お金をかけるべきところじゃないかな、と思います。

体にいいものを選べばそこそこの値段はします。
とは言え小型犬であれば1カ月分のフード代は1回トリミング費用ほどは掛からないんじゃないでしょうか。
シャンプーだけなら2000〜3000円ぐらいでしょうか。
ただシュナウザーの場合にはカットが入りますからシャンプー費用にカット代が加算されますでしょうし。

見た目重視の方に食事の話をしてもなかなかご理解いただけませんが
動物の健康長寿を心から願っている方には容易に受け入れてもらえます。

結局は飼い主さんの価値観ひとつです。
ただ獣医師は健康であれば皮膚病にはなりにくいことも知ってます。
毛艶をよくするには洗うことではなく正常な内臓機能を維持することであるという事も知ってます。

はてさて外見を気にするか、中身を気にするかいずれを選択しますか？

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