ついて行かないと大変なことになりますなぁ。
例えば、膵炎の診断では
これまでは「難しい」の一言でした。
どういった検査をすれば膵炎と診断ができるのか
情報が曖昧模糊としてました。
曰く、血液検査のリパーゼとアミラーゼを測定すればいい。
しかしこれらの数値は正常値のレンジが非常に広く、かつ個体差が激しいのです。
そこでcPL・fPL検査キットが出てきました。
これを使うと「急性膵炎」の診断が出来るようになりました。
またエコー検査も併用します。
例えば、腎臓病の診断では
血液検査で異常値がでるのは腎臓の残存機能が75%以上障害されてからなので
初期の段階で見つけることは出来ません。
もっと早期に発見が出来れば寿命を延ばすことが出来ます。
曰く、尿検査、特に尿比重を測定すればいい。
しかし当初は人間用の機械が使われていましたが
詳しく調べると動物では人間用のモノは使えないことがわかりました。
また犬と猫とでも違いがあることがわかりました。
そこで動物専用の尿比重計が出てきました。
しかしもっと詳しく調べることは出来ないか、という問題が出てきましたので
それに呼応するように、尿の更なる詳しい検査方法が提唱され
また血圧測定の意義も指摘されるようになりました。
これらを駆使すれば早期にかつ病態の程度も分類できるようになりました。
またエコー検査も駆使すればもっと早期に異常を発見できます。
これらの情報をまとめると今迄は何となく行われてきた治療が
より正確に行えるようになりました。
血液検査はどこの病院でも行われます。
検査項目も病院による差はありません。
しかし先日のセミナーでは特に肝臓系酵素の数値の「読み方」に提唱がありました。
今までは「肝臓が悪いですね」と言われてたのが実は別の臓器の異常を指していた
そんなことが多くなってきたとのこと。
これは言い換えれば検査データの読み方を間違えているからだという事で
間違えれば「嘘」ということになりますが
もっと言えば「やぶ獣医」と言われてもおかしくない、とのこと。
何が変わったのか、と言うと数値の正常範囲云々ではなく
検査項目の組み合わせで考えると
今までは上っ面の事しかわからなかったのが
その底までわかるようになってきたんです。
これは古いテキストにしがみついていたんでは出来るようにはなりません。
頭の使い方をリニューアルあるいはアップデートしなければならないわけです。
開業医レベルでもそこまで出来なければならないようになったわけです。
大変だ、と思ったらダメです。
今までわからなかったことがわかるようになるんです。
こんな楽しいことがありますか。
見つけられなかった異常を見つけられるようになるんです。
その結果、どれだけの命が救えるか。
これが重要なんです。
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