院長 / つぶやき / 2017.11.19 22:18

今年はためになることが多々ありました。

今回は心臓病と腎臓病にスポットを当てていきました。

まずは腎臓病。
ある程度の事は出来ている、はずでしたが
今回はちょっと驚きの出来事がありました。
確かに言われてみると思い当たることがあるなぁ・・・と。
これを検査項目に加えると腎臓病の診断がより正確に出来るようになります。

この内容を講演されたのはお名前が以前から存じ上げておりましたが
大学の先生ではなく地方の開業医の方です。
ここが素晴らしいと思いませんか。
研究者ではないけれど日々の診療の中で
独自に調査、研究をされていたわけです。
しかも年齢は私よりも随分上の方です。
こういう姿を見ると私などまだまだ努力が足りないかなと思います。
今後お手本にして、そして負けずにがんばろうと思いました。

次は心臓病。
こちらは診断基準のアップデートということでしたので
どういう変化かなと思ってましたら
想像のはるか上でした。
まだ論文としては発表されていない内容でしたので
ここで詳細を書くことは出来ませんが
これが公になったら今までやってきたことが
足元から崩れるかもしれません。
実際に講演の後に質問が出まして
私も１つ質問したんですけど、私の内容ももちろん
他の質問者の内容も、今までの診療内容が
スコーンと足払いされてしまうかも、です。

しかしそれはそれとして今までやってきたことには
結果がちゃんとついてきているわけですから
いきなり崩壊するという事はないでしょうが
正面切って抵抗するとなると相手があまりにも強大すぎます。
そちら側につく獣医師も多く出てくるでしょうし
今まで通り、と言う獣医師も残るでしょう。
私は・・・後者ですけど（笑）。

帰りの車の中でつらつらと考えてました。
常々言ってますけど、医学と違って獣医学は
まだ未熟な学問だと思います。
私が大学時代に習ったこと、つまり30年前の常識は
既に完全崩壊だと思います。
20年前に習ったことも今では随分と姿を消しました。
10年前になると今の状態に近づいてはいるもののまだまだ内容に不備がありました。
そして5年前になるとそれまで「わからない」とされていたことが解明されてきつつあります。

未熟な学問であるがゆえにその発展スピードはとてつもなく早いです。
その流れに乗り遅れればあっという間に「時代遅れ」となるんですが
この流れに乗るというだけでもホントに大変です。
休診日だからのんびり遊びに行こうぜ、なんてやってる暇があるんでしょうか？
毎月、毎週のように全国各地で行われている学会やセミナーなどに
参加しないでいて流れに乗れるんでしょうか？
大きな波が次々とやってきますが
それに気づかなければ平和ですけど
ふと気づいた時にはあっという間に浦島太郎です。

未熟な学問であるがゆえに
我々のような開業医でも出来ることがたくさんあるんです。
変な縛りもありませんし自由なんです。
するも自由。
しないのも自由。

でも確実に日々変化しています。
高価なテキストを買って手元においていても
その内容自体がすでに古くなっていることに気付かないと
いつまでたっても進歩はないですね。

教科書を買うよりも
ネットで検索するよりも
実際に現場に出てみると
本当に価値のある情報が散らばってますね。
だから学会やセミナーに出かけるのは楽しいです。

大阪まで片道たったの260ｋｍです。
車で3時間半あれば十分です。
今回の学会参加費用は2日で1万円ちょっとです。
安い投資だと思います。
ただし、病院を留守にしますので
飼い主さんたちにはご迷惑をおかけしますが
そのぶんはきちんとお返しをします。

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