岡本動物病院

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院長のブログ

麻痺性イレウス

院長 / つぶやき / 2017.11.26 19:33

怖い病気だと思います。

イレウスとは腸閉塞の事なんですが
一般的には異物による閉塞、腫瘍による閉塞があります。
これに対して麻痺性(機能的)イレウスというのが診断も治療も厄介だと思ってます。

麻痺性イレウスの診断には一見しただけではわかりません。
症状は嘔吐、食欲不振なんですが
ヒントとしては便が出ないという事ぐらいですね。

血液検査ではこれと言った異常値はなく
強いて言えばCPKが上昇します。
ただこれは嘔吐を起こしている場合、特に猫では上昇します。
もちろん麻痺性イレウスでも上昇しますが
これだけで診断はつきません。
確定のためにはレントゲン検査となりますが
これも1回撮っただけではわからず
何度も繰り返して撮ってみて
大腸に全く動きがないことで段々とわかってきます。

診断がついてら次は治療ですけど
大腸内に溜まっているものを排出させればいいわけですが
溜まっているものが物体なら簡単なんです。
浣腸すれば出ますから。
でもほとんどの場合は「ガス」です。
ガスを排出させるには浣腸だけでは無理です。
しかもガスがたまっているのが大腸の一部ではなく
全域ですから、浣腸だけではとてもとても・・・

結局、開腹手術をして大腸内のガスや溜まっている泥状便を
手でしごいて排出させて終わりです。
この時肛門からスタッフに採便棒を挿入させ
それを持って掻きだしと同時に大腸をしごきます。
個々の連携が上手くいくとすぐに大腸内は空っぽにできます。

薬物治療もやってみたことはありますが
これと言って効果がありませんでした。
私のやり方が悪いのかもしれませんけど。

なぜこの病気が怖いのかは以上の事が原因なんですが
直接の原因が・・・ほとんどの場合「毛」です。
つまりこの時期の猫に非常に多くみられる疾患であるという事です。
何にも病気を持っていないのに急に発症します。
ホントに怖いのはここですねぇ。

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