岡本動物病院

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院長のブログ

猫の慢性腎臓病

院長 / つぶやき / 2018.5.10 17:56

これを病気として捕らえるか否か、と言うお話。

腎臓は、ご承知の通り、尿を作る臓器ですが
そもそも尿とは何だろう?って考える人は少ないんじゃないでしょうか。

尿と言うのは簡単に言えば体の中に溜まる不要物、つまりゴミです。
これに対して便は生きるための糧として食べた食物から栄養素を取り去った残りものです。

尿を作る腎臓が、正常に尿を作ることが出来なくなった状態が腎臓病で
そうなると体の中で出来てきたゴミが体外に捨てられなくなってしまい
それらが体の各臓器を汚染して起こるのが「臨床症状」となります。

便と違って尿は48時間まったく作られなくなると命の危険があります。
これに我々が最も遭遇する機会があるのが「尿閉」というもので
尿道に結晶物の塊が詰まって排出が出来なくなって起こります。
この場合、直接腎臓が壊れているわけではないので
尿路の閉塞を解除すればいいんですが
腎臓が壊れて尿を作られなくなってしまうと
完全にお手上げになります。

そういう状態で、人間の場合には透析や腎臓移植と言う方法がありますが
動物ではこれらの方法はまず無理です。
だから壊れる前に「壊れそうだな」と言うところで発見して
早めに手を打つ、と言うのが治療となります。

腎臓病の治療は犬と猫とでは若干違いがあり
猫のほうがバリエーションが多いんです。
基本的な考えに違いは無いんですけどね。

急性ではない場合、慢性腎臓病ですけど、これはほとんどが老齢性疾患です。
つまり体の、臓器の老化です。
経年劣化と言うやつです。

これが一定限度を超えたところで「病的な異常」となるんですが
この限度を超える前に「そろそろだな」と察知して
先回りの処置を行えばこのまま悪くなるのとゆっくりに変えることが可能です。

腎臓病の治療のコンセプトは「腎臓に負担をかけないこと」です。
これは腎臓に限った話ではなく各臓器に起こる老齢性変化すべてに通じることです。

例えば心臓病では「負担をかけない」事とは運動制限が入ります。
例えば肝臓病では「脂肪分の制限」となります。
腎臓では「タンパク質の制限」が必要ですね。

負担をかけないようにして臓器の寿命を長くする、長持ちさせることが
結局寿命を長くすることになるんです。

体だけではなく臓器の老化として考えると
色んな対応が出来ます。

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