岡本動物病院

お問合せは0852-31-6119まで

院長のブログ

胆嚢炎の診断には

院長 / つぶやき / 2018.5.14 22:46

除外診断が必要なのです。

確定診断には腹部エコー検査が必須です。
しかしそれだけで胆嚢炎と診断するのは早計。
その他の臓器に原因がないことを証明しなければなりません。

胆嚢炎の臨床症状に該当する他の臓器の検査には
やはり血液検査と腹部エコー検査が必要です。

一番重要なのは膵臓です。
ただし膵臓の検査はなかなかに難しい。
血液検査ではリパーゼ・アミラーゼはもちろん
中性脂肪とコレステロールも必要です。

特にアミラーゼについては診断価値がないことが証明されていますが
いまだにアミラーゼをもって膵炎と診断されることが多いですね。
困ったものです。

中性脂肪に関しては検査されないことが多いんですが
中性脂肪は肝機能検査としても有用なのです。
これを検査せずに専門的な項目を外注検査するというのは
いささか話が飛びすぎになります。

膵臓の他には消化管の検査も必要です。
こちらは血液検査で証明するのは猫の嘔吐の時以外は困難です。
となると画像診断となりますが、エコー検査で異常を見極めるのには
手間と知恵と経験が必要なので、通常はレントゲン検査を選択します。
ただし通常のレントゲン検査だけでは情報が不十分なことが多いので
概ね造影検査を行う必要が出てきます。
造影検査は、個人的には、とて有用だと思ってますが
内視鏡検査という方法もあります。
内視鏡検査は鮮明な画像が撮れるのでとてもいい検査だと思いますが
デメリットとしては全身麻酔が必要であることと
十二指腸から奥〜大腸にかけては見ることが出来ません。
カプセル式内視鏡と言う手もありますが、これは時間がとてもかかります。

当院では内視鏡検査は出来ませんのでレントゲン、造影検査までとなりますが
胆嚢炎の除外診断でそこまで必要だった事例は多くはありません。
大抵はエコー検査で除外診断します。

これらの検査を行ってからようやく胆嚢炎以外の除外診断が出来ますので
最終的に「胆嚢炎」と診断が付きます。

文字にすると結構長い時間がかかっているように見えるかもしれませんが
血液検査と腹部エコー検査で行いますのでせいぜい30分もあれば検査は終わります。

こういう検査をルーチンに行うことが出来れば
胆嚢炎で苦しんでいる犬猫を見つけ出すことは難しくありません。

原因を見つけられれば治療まで最短距離で進めますので
早期回復まではすぐに済みます。

| comments (0) |

コメント

コメント投稿

【必須】



【必須】

  • トップページ
  • 診療について
  • 当院のご案内
  • 診療時間&交通アクセス
  • 避妊・去勢手術について
  • 検診のご案内
  • スタッフ紹介
  • お知らせ一覧
  • ニュースレター
  • お問い合わせ

院長のブログはこちらから

読み込み中・・・

このサイトはjavascriptを有効にしてご覧ください。また読み込みにお時間がかかる場合がございます。

Calendar

<< 2024年05月 >>

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
690-0015 島根県松江市上乃木4-29-21 Tel:0852-31-6119 (診療時間) 午前 9:00〜12:00 午後 4:30〜07:00 (休診日) 休診日は、日・祝日です。 (注)水曜日午後は手術日としており大きな手術を行っています。水曜日午後と夜間は電話が留守番電話に切り替わります。

当院は診療料金を現金の他、クレジットカード(VISA・MASTER)、WAONで支払いいただけます。

※支払い回数は1回のみです。
※WAONのチャージはできません。