院長 / つぶやき / 2018.7.26 17:49

これなくして手術は出来ません。

最近は症例も少なくなったこともあるんでしょうけど
整形外科の手術をしない病院が増えているらしいですね。
まあ、手術件数が少なくなっている昨今、技術を習得するための
実践を行う機会も減るわけですし、いつ来るかわからない手術のために
道具を揃えると言うのもなかなか難しいんでしょう。

整形外科の器具は特殊なものが多く
またそれぞれが結構高価です。
またメーカーによる差異が激しく
平たく言えば安物では上手に手術が出来ません。
使い勝手が非常に悪いんですね。
さらに消耗品も結構な金額です。
プレートやスクリュウあるいはピンなどを使うことが多いんですけど
それぞれ厚み・太さ･長さが違いますし
手術の際にどれをどれだけ使うかは
ある程度手術前にチェックしますけど
実際に使う数よりも多めに、そして種類も増やしてから手術になります。
となると結局使わなかったものも多数出てくるわけで
これらはひょっとすると不良在庫になるかもしれないわけです。

そして、多分これが一番大きな理由かと思いますが
整形外科は成功・失敗が如実にそしてすぐにわかります。
言い訳が出来ないんですね。

こう言ったことで整形外科をしないと言うことになっているんじゃないでしょうか。

また最近は歯科がトピックです。
こちらも専用器具がたくさん必要になります。
例えば抜歯する際に使う器具一つとっても
歯の形・大きさがそれぞれ違いますから
同じ器具で、と言うわけにいかないんです。

歯科用の器具は整形の器具ほど高価ではないですけど
専門医のお勧め、と言うものを使えばいいんでしょうけど
情報が多くないので結局どれがいいんだかわかんなくなるんです。

私が学生時代には講義で歯科なんて習ってませんから
すべて現場に出てから学んだことだらけです。
今では多分講義もあるんでしょうけど
私の持っている歯科技術は技と力の複合体です。
これがいいのかどうか・・・疑問はありますが。

腹腔内の手術と言うのが一番多いんだろうと思いますが
こちらは使いまわしが出来ますので、いわゆる「開腹セット」と言うものを
1セット持っていればまあ何とかなります。
こちらで使う器具も安いものから高いものがありますけど
整形と違ってこちらでは安いものでも何とかなります。
高価な器具といっても特に使いやすさに差があるとはあまり思わないですね。
一応超高級品もいくつか持ってますけど
結局は手に馴染むかどうかなので
高価だからと言って必ずしも使いやすいとは限らないです。
開業同時に使っていた鋏があるんですが
これは10年使ってました。
決して高価なものではないんですけど
使っているうちに完全に手に馴染んだんですね。
蝶番のところがガタガタになってきたんですけど
それで手が覚えているのでまったく問題なく鋏として使ってました。
しかし切れが悪くなってきまして研ぎに出そうかなと思ったんですけど
当時は安心して任せられる研ぎ師さんを知らなかったので
そのまま引退として今は宝物入れに入ってます。

今ではそれはそれはたくさんの器具がありますけど
これをすべて一気に揃えるとなるといくら掛かるんだろうと
考えるとぞっとしますね（笑）。
ちょっとずつ揃えていければいいんですけどね。
そして技術もちょっとずつ進歩していけばいいんですよ。
そうすればどんな怪我・病気が来ても
それなりに対応できるようになると思います。
ただ時間は相当掛かりますけど（笑）。

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