岡本動物病院

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院長のブログ

冬だと言うに

院長 / つぶやき / 2022.2.3 17:33

昨年秋口以降皮膚真菌症が目立ちます。

従来ならば真菌(カビ)と言えば梅雨から夏場に多く見られました。
真菌の増殖には以下の3つの条件が必要だからなんですが
1:気温(温度)
2:湿度
3:栄養素
この条件があってこそなので、梅雨〜夏と言うのが相場でした。

温度と言うのは外気温もありますけど体温がありますので
これならば春夏秋冬関係ないです。
湿度は夏は多湿で冬は乾燥ですね。
栄養素は皮膚の皮脂などですのでこれはどうしようもないです。

ここからは個人的な意見です。
エビデンスとやらはありません。

動物側の問題、つまり皮膚の免疫バリア機能に異常があるのでは?と思ってます。
と言うのも真菌症には大きく分けて2種類あります。
1:非病原性真菌
2:病原性真菌

病原性真菌はその名の通りでこれに感染すると誰でも症状が出ます。
なんなら人にも感染します。
動物から人へ感染する場合、ルートは接触感染です。
つまり触ると感染するってことです。
また直接触らなくても同じ室内にいるだけでも感染可能です。
なんと言っても病原性ですから。
人の場合、感染しやすい順番がありまして

子供→女性→男性の順です。
これは皮膚の水分量が大きく関わっていると思われます。
私などは中年以上の男性ですから
皮膚はカッサカサ(は大げさですけど)なので
これまで真菌に感染したことがありません。

以前見ただけで分かるほどの皮膚症状を起こしていた猫を連れてきた女性がいまして
思わず聞きましたよ。

「あなた 体痒くないですか?」と。
すると袖をまくって腕を見せてくれたんですけど
見事な病変を作ってました。

ちょうどその方は妊娠中だったので
早急に猫の処置が必要でしたが
その方も皮膚科を受診するようお勧めしました。

ただ当院で確認するのはほとんどが非病原性真菌ですので
簡単に感染するというものではないわけですが
同居犬でいずれも病変形成というパターンもありました。

皮膚の免疫抵抗力が落ちているのでは?と思うのは
皮膚真菌症の診断をした症例の多くが持病持ちだからなんですけど
皮膚に関係ないはずの持病なのでちょっと不思議に思ってます。

例えばクッシング症候群の症例では、これまた
不思議なことに真菌症を見た記憶がほとんどありません。
クッシングこそ皮膚の異常をおこしますし
症状が出てもおかしくないと思うんですけどね。

症状が出やすいのは眼の周り(眼瞼)や口の周りです。
この辺が腫れていたり痒がっているようならば
一度皮膚・被毛検査をしたほうがいいかもしれません。
昔は皮膚・被毛の培養とかウッド灯検査とかいわれてましたが 
顕微鏡で覗いただけでも診断可能ですから。

治療は塗布薬ではなく(そもそも塗布薬が使えない場所に多く出ますので)
飲み薬となります。
結構しつこいですけど治りますのでご安心下さい。

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