岡本動物病院

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院長のブログ

多血症

院長 / つぶやき / 2022.10.3 16:36

赤血球の多い状態のことですが、犬種によって正常値のばらつきがあります。

有名なのはダックスフンドです。
赤血球数値が900万とか1000万と高値であり
HCTが軽く50%を超え中には60%というのも珍しくありません。
それでいて脱水ではないので何ら症状がないわけで
こういうのを「多血症」と暫定的に診断していました。

そこで最近気づいたというか思っていることがありまして・・・
最近のダックスで多血症状態なものをあまり見なくなったんですよ。
要するに数値的には正常範囲に治まっているわけです。

だから何?ってことなんですけども
ダックスを飼育している方には申し訳ないんですが
これは過去の事実ですのでご紹介しておきますが
一昔前、保健所が犬の処分を普通に行っていたころですけども
そのころに保健所で引き取られる犬種、NO1がダックスだったんですよね。

最近のダックスは多血ではないと書きましたが
そのほかの犬種、従来多血症が多いとはされていなかった犬種ですが
ランダムに多血傾向の犬が増えてきたような感じがしています。

それでちょっと思いついたのが
多血と性格は関係があるのかな?ということなんです。

ダックスは元々猟犬ですので攻撃的な資質はあるはずなんです。
それを踏まえて飼育、つまりしつけをすれば飼い主に対して従順になるわけですが
きちんとしつけられていない場合は、困った結果になるわけです。

ダックスは多血症傾向がある。
飼い主の言うことを聞かなくなって捨てられることが多かった。
性格の問題、と片付けるにはちょっとどうなの。
きちんとしつけなければならない犬種だったんじゃないの。
そうしないと攻撃性だけってことになりかねない。

というところから始まって
最近のダックスは多血じゃないのが多い
ダックス以外の犬種で多血なものが多くなってきた感じ。
そういう犬に限って・・・というのが多いような気がする。

という風に思うようになりまして
もしかして
多血と性格ってのは関係があるのではないか?
と思うわけです。

そこで動物の領域ではそのような話は聞いたことがないので
人ではどうなんだろう、と調べてみたところ
厳密には性格というわけではないようですが
多血症の患者さんでは症状として

「イライラすることが多い」らしいです。
このことからか
「血の気が多い」という表現が使われるようになったとか。

もしもこれが動物でも当てはまるとすれば
多血症の動物も常にじゃないにしても
イライラすることが多くなるのかもしれません。
機嫌が悪くなるスイッチが入りやすくなるのかもしれません。

血液検査の際、総赤血球数、ヘマトクリット値などはそもそもわかりませんので
採血量は1mlもあれば十分だったんですけど
特にヘマトクリット値が60%なんて数値が出ることがしばしばあり
血液が足りないのでもう一度採血するということが続きまして
今では最低でも1.5mlは採血するようにしています。
それぐらい多血傾向の犬が、猫でもですけど、多くなったような気がします。

多血=性格が悪い、ということではないです。
多血であるばあい、イライラすることが多くなるという前提で考えれば
しつけるということはしっかりしておかないといけないんじゃないかと思うわけです。
特に高齢になっていろいろ病気が出てくると
その病気のせいで痛い、苦しい、イラつくなんてこともあるでしょう。
そうなったときに治療がスムーズにいく方がいいわけですから
元気なうちから、しつけというものを意識しておいた方がいいんじゃないでしょうか。
もちろん多血であろうがなかろうがしつけるというのは大事ですよ。

ずっと疑問に思っていたことだったんです。
人の方で「ある」ということだったので
ちょっと納得したわけです。

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