次々と新治療薬が出てきます。
いい時代になりました。
とは言え、こちらはそれを使うのが初めてなわけで
使い方を知らずにホイホイと飼主さんに出すわけにはいきません。
そのため情報収集をするわけですけど
コロナ禍のために製薬会社が行う情報セミナーが
オンライン形式が増えまして、これはなかなか受け入れにくい年齢なので
メーカーの人に頼んで院内セミナーをしてもらって情報を入手するようにしています。
ここ最近だと、慢性関節炎の疼痛治療薬が出ました。
これは京都での学会でメーカーの説明会があるというので出かけてきました。
また猫の糖尿病の治療薬が出まして、これは岡山でメーカーのセミナーがあったので行ってきました。
その日は大阪で大きな団体の学会がありましたので参加者がどうかなと思ってましたが
想像以上にたくさんの出席者がありました。
ということは大阪には行ってない・・・まあ私もですけど、と思いつつ。
そのちょっと前には猫の慢性腎臓病進行時に見られる造血ホルモン剤が出まして
これまでは人間用のものを代用していたのですが、これは猫専用ということで
安全性など大きな改善が見込めるだろうなと思ってまして
こちらはメーカーの担当者に院内セミナーをお願いしました。
先週には様々な疾患時、食欲が低下し体重が減少してしまうことが多々あります。
そうなると体力が低下し生命維持が困難になってしまいます。
とは言えこれまではそういう場合、正直手の打ちようがなかったんですが
そういう時に使う対症療法薬、食欲亢進、体重増加を見込める薬が出ました。
元の疾患治療ではないのでそちらとの併用となるものですが
どういった作用機序なのかわからずでしたので
これも院内セミナーを頼んで勉強しました。
新しい治療薬が次々とでてくるわけで、しかもそのほとんどが
高齢動物が抱えるであろう問題の改善に役立つものです。
良い薬が出てくるわけですが、とは言え使い方を間違えてしまうと
その効果が出てこないわけですので
使う側の責任として、ちゃんとわかってから使うというのは当然です。
そして正しい情報はネットの書き込みではなく
(糖尿病治療薬の時にはネット上にでたらめが結構書かれてました)
正規のルートから入れないとダメですね。
どんな仕事でもこういうことはあるあるだと思います。
新しい機械、技術はどんどんと出てくるでしょう。
うまく使いこなせれば大変有効です。
しかし中途半端なところで見切り発車をすると
その結果は推して知るべしです。
分かっていて使う
分かったふりして使う
相手には気づかれないでしょうが、同業者が見れば一目瞭然です。
ばれなきゃいい、じゃないです。
特に我々は命に携わる仕事ですから、薬の使い方を間違えれば
ごめんなさいで済む話じゃなくなります。
仕事を続けるということは勉強を続ける、ということだと思います。
それを面倒だと思ってるようじゃお先真っ暗でしょうね。
新しいことを知るということはとても楽しいんです。
私はそう思ってますけどね。
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