猫は犬より優れている・・・のかもしれません。
数年前に高所から落下して股関節脱臼を起こしていた猫がいます。
内臓のダメージもあったので入院処置をしまして
食事が取れるようになったことと、跛行が治まったので退院とし
脱臼に関しては改めて考えよう、と言うことにしました。
股関節脱臼はなかなか厄介なもので
脱臼してすぐなら手術せずに整復が出来ることが多いんですが
その後バンテージなどで固定しなければなりません。
ただ、この固定がうまくいかずに再脱臼と言うことも多々あります。
また脱臼してから時間が経つと血餅が溜まってきて
整復が出来なくなり、結局手術して固定するということになります。
しかし、ある整形の専門医の方は
「手術をしても再脱臼の可能性が高いので整復以外の方法を選択する」と言われており
それもまた一理あるんです。
経験上、股関節脱臼をしても整復せず、手術もせずでも正常歩行が出来るようになることも多いんです。
ここが人間と違うところです。
昔家の玄関から飛び出して、通りかかった車に跳ね飛ばされて股関節脱臼した犬がいました。
飼い主さんから手術の同意が得られなかったので鎮痛剤のみ処方したんですが
1か月後に別件で来院した際には、普通に歩いてました。
その経験は常に頭にあります。
さて、件の猫ですが久しぶりにレントゲンを撮る機会があり
「どうなってるかな?」と期待半分だったんです。
と言うのも現在全く普通に歩く、走る、高いところに登ると聞いてましたから。
すると脱臼していた足は完全に正常とはいえないものの
ほぼ股関節を形成してました。
これはさすがに驚きました。
元に戻そうとしてもなかなかうまくいかないものなのに
自然に、そしてほぼ正常な状態に治ってましたから。
さすがに犬だとこうはいきません。
せいぜい偽関節をこしらえて歩行が出来るようになるぐらいで
関節を作ることはないでしょう。
それでも人間からすれば「うらやましい」ことですけどね。
猫は時々びっくりするようなことを我々に見せてくれます。
時には「自分らのやってることは正しいんだろうか?」と悩むことにもなりますが。
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