岡本動物病院

お問合せは0852-31-6119まで

院長のブログ

アレルギー体質の場合

院長 / つぶやき / 2017.5.30 22:16

気を付けなければならないことがたくさんです。

アレルギー体質であることがわかっているときには
何に対して反応するか、を考えないといけません。

異種蛋白、つまり自分以外の蛋白質に対して過敏反応をしめすわけですから
そんなものは山ほどありますから。

例えば混合ワクチン。
しなくて済むならそのほうが安全ですが、接種するのであれば
アレルギー反応の報告が多いものは避けるのが必然です。
例えば当院の場合には7種以上のものは使いません。
7種以上のものにはレプトスピラと言う病気のワクチンが含まれますが
これはどのメーカーでも一緒で、アジュバンドというものを入れて作られているのですが
このアジュバンドがアレルギー反応を起こしやすいとされています。
だから使いませんが、実際にアレルギー反応を示すかどうかは
接種してみないとわかんないです。
でも?型アレルギー、つまりアナフィラキシーなど起こしたらエライ事になりますから
君子危うきに近寄らずとなりますね。
そんなの関係ねぇとばかりに8種だの11種だの使っているなんてのを聞くと
怖いものないの?と思います。

ワクチンがらみで言うなら狂犬病ワクチンでもアレルギーが出る犬がいます。
混合ワクチンく比べれば圧倒的に少ないですけど。
そういう場合には・・・・困りますね。
法律上はしなくてはならないことになってますし
かといってアレルギーを過去に起こしたことがわかっているなら
別のメーカーのモノを使うという手もありますが・・・
どうしようかなぁと悩みます。

フィラリア予防薬も注射薬ではアレルギー報告が出てます。
飲み薬では起こらないんですけどね。
同じ成分であっても注射の場合基材が問題になっているようですので
当院では基本的には注射は使いません。
過去には使っていたこともあるんですが、やはりアレルギー反応を起こす犬がたくさんいましたから。
あまりの多さに驚いて、怖くなってやめました。
当然それらの事はメーカーへ報告してますけど。

かつて問題になり今では常識となってますが
手術時に使用する縫合糸で起こる異物反応である「縫合糸肉芽腫」と言う病気があります。
ウチでは幸い経験がないんですが、友人の獣医の所で起こった話ですが
去勢手術で糸を使い血管を結紮したところ術後に縫合糸肉芽腫を発症して
結局糸を取り除く処置をしたとのこと。
この犬に混合ワクチン(8種)を接種したらアナフィラキシーショックをおこして
死にかけたということです。
それを聞いた時に「よくも8種なんて使ったな」と言いましたら
「なんで?」と返ってきたのでアジュバンドの事を滔々と説明しまして
そしたら「お前なら何使うの」ときたので
「使うなら5種以下のもの、もしくは接種しない」と返答です。
とは言え当院でも5種でアレルギーが出たのはいます。
だから「出来るだけ少ないの」を選んで使ってますけどね。

食事に関しては犬の場合食事性アレルギーは少ないです。
猫になるともっと少ないです。
だから食事療法食に関してはあまり使ってないですね。
ただ、まれにホントの食事性アレルギーもいますから全然使わないということではないです。

実は気を付けているのは食事よりも寝床の敷物や食器、シャンプーなどです。
以前着せている服が原因と思われる症例がいまして
その服を着せるのを止めてみたらと忠告したらどうもそれが気に入らなかったようで
それっきり来院されなくなった人がいました。
その服の素材が問題だったわけですが、どういう理由かはわかりませんが
その飼い主さんはその服が気に入っていたようですね。
ただ動物の体は「嫌だ」と言ってたように私には思えましたが。

食器でのトラブルは口の周りに出ます。
食器に接触しておこる「接触性皮膚炎」と言うやつですが
プラスティックには多いようですし、またそれが古いとなると
小さな傷がたくさんついてきますのでそこに雑菌が繁殖しやすくなります。
それにより「細菌性皮膚炎」も併発することもあります。
そういう場合には陶器・ガラスなどでもいいと思いますがこれらは壊れる可能性があるので
無難にステンレスを勧めます、けど・・・ホームセンターの製品は特に最近のモノは
ステンレス含有量が少ないか、粗悪品が多いのであまり芳しくないです。
もっともステンレスは高価な金属ですからそもそも安くはないですね。

敷物の問題は服と同じで素材が問題です。
特に冬場に多いんですけどフリースやアクリルはダメですね。
やはり無難なのは「綿」です。
最もいいのは「絹」ですけど、さすがにシルクの布団を使ってねとは言えませんね。

結局、アレルギーなんてのは現代病なんですね。
動物の側の体の問題もありますし、正直なところ「腕白でもいい たくましく育ってね」とは思いますが
皮膚免疫機能の虚弱なものが多くなってます。
これに対して対応するには内臓を健康に保つことが大事だろうと思ってますので
やはり食生活には一番気を使ってほしいところです。
処方食なんかじゃなくても体にいいものは他にもあります。
そういったところに意識が向くと余計な薬はまさに必要なくなる、かもしれませんよ。

| comments (0) |

コメント

コメント投稿

【必須】



【必須】

  • トップページ
  • 診療について
  • 当院のご案内
  • 診療時間&交通アクセス
  • 避妊・去勢手術について
  • 検診のご案内
  • スタッフ紹介
  • お知らせ一覧
  • ニュースレター
  • お問い合わせ

院長のブログはこちらから

読み込み中・・・

このサイトはjavascriptを有効にしてご覧ください。また読み込みにお時間がかかる場合がございます。

Calendar

<< 2024年04月 >>

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30     
690-0015 島根県松江市上乃木4-29-21 Tel:0852-31-6119 (診療時間) 午前 9:00〜12:00 午後 4:30〜07:00 (休診日) 休診日は、日・祝日です。 (注)水曜日午後は手術日としており大きな手術を行っています。水曜日午後と夜間は電話が留守番電話に切り替わります。

当院は診療料金を現金の他、クレジットカード(VISA・MASTER)、WAONで支払いいただけます。

※支払い回数は1回のみです。
※WAONのチャージはできません。