岡本動物病院

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院長のブログ

動物薬

院長 / つぶやき / 2017.7.7 11:43

昔のことを思うと動物専用薬がたくさん出てきました。

昔は人間用の薬を動物に使用して、その効果・効能・用量を実験して
良い結果のものだけが現場で使用されてきました。

人間用の薬を動物に使う、と言うことに違和感を覚える人もいるかもしれませんが
そもそも人間用の薬は動物実験を繰り返してから人体へ臨床応用されるものです。
逆に動物実験の段階で不都合があった場合は
そこから先には進めませんから人体へ使われることはまずないです。

だから、人体薬を動物に使うことは
逆戻りしただけで何ら問題はありません。

しかし動物実験で試されるのは効果ではなく毒性の方ですから
副作用がないことが証明されているだけで
効果があることを証明しているわけじゃないんです。

心臓病の治療薬で、今では動物用として各種あるACE阻害薬と言うものがあります。
昔は人体薬しかなかったのでそれを使うしかなかったんですけど
効果に関してはいまいち・・・いやいまさんぐらいでした。
人ではもっと効果的なものなんですけど、動物はダメでしたね。

抗生物質も同じで、こちらはその種類はめちゃくちゃに多いんです。
それらがすべて動物に効果的かというとそうではなく
というか、効果がある物が少ないといった方がいいでしょう。

先日は猫用インスリンが販売されました。
従来の人間用と違うのは、注射器での使用が楽になってます。
また猫の慢性腎臓病の進行抑制剤も販売されました。
こちらは、実際当院でも使ってますけど確かに症状の進行を抑えますね。

ただ、猫用として販売されているものを犬に使ってはダメです。
逆に犬用となっているものを猫に使ってももちろんダメです。

人間用は犬に使っても猫に使ってもいいのに
犬用は犬だけ、猫用は猫だけというのは変な感じがしますね。

理由は簡単なことで、犬用は犬での効果が認められているわけで
猫で同じような効果が認められているわけじゃないということです。

動物用だからと言って人体薬とは全く違うのか、と言うとそうではないです。
ほとんどすべての動物専用薬は同じ製剤のものが人体用に存在します。
人体用と同じ製剤を動物用として縛りを付けているわけです。
唯一人体薬にはなくまんま動物専用薬というのがありまして
こちらは注射麻酔薬ですね。
確かに犬でも猫でも非常に有効ですし安全性が高いものです。
麻酔薬は生命に直結してますので安全性の高いものにこしたことはないです。


いい時代になりました。
動物にとって安全性・効果が保障されているものが
ドンドンとその種類が増えてきてますから。

ただ1つ問題が。
動物用薬と人体薬で中身は全く同じ製剤であっても
違うのが価格です。
人体薬と違って消費される量が違いますので
動物薬の方が高くなります。
消費量に関してはどうしようもないですね。
数が違いますからねぇ。

出来れば、人体薬並みとは言わないまでも
価格はそれに近づけて欲しいと思います。
不思議なことに動物用製品は価格が上がることはあっても下がることはないんです。
価格帯を下げる努力を企業には期待・・・薄いですね。

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