
院長 / ニュースレター / 2012.1.26 15:07
ここのところよく「聞かされる」ので、今回は前立腺肥大症について解説します。
一般には「前立腺肥大」「前立腺炎」「前立腺膿瘍」「前立腺癌」の4つがあります。
このうち、前立腺癌は悪性腫瘍であり、発見時にはすでに転移をしていることも珍しくありません。
詳細な検査で判明しますが、ほかの前立腺疾患と同様で「排尿困難」「血尿」が主たる臨床症状です。
前立腺炎や膿瘍は、感染症が原因で起こることが多く、上記の症状以外に「発熱」が見られます。
治療は抗生物質の投与になりますが、効果のある抗生物質の種類が割と限られており
また投与期間も長期に渡ります。膀胱炎も合併症としてみられます。
そして前立腺肥大ですが、これは「老齢性疾患」です。
10歳以上で去勢手術を行なっていない犬では90%に前立腺の肥大が見られると言われています。
しかし、そのうちで臨床症状が見られて治療が必要となるのは10%程度です。
前立腺肥大はほかの疾患とは重症度が違いますが、余りにも大きくなると排尿・排便が困難になり
特に排便時の疼痛が見られます。
診断は超音波検査で可能です。また血液検査と組み合わせて、炎症・感染症の有無も確認できます。
前立腺肥大症の治療は、以下の通り3つあります。
1:去勢手術
2:ホルモン剤(女性ホルモン剤)投与
3:ホルモン剤投与+去勢手術
まず、去勢手術はかつての治療方法でして、去勢手術をしても前立腺が縮小するには時間がかかるため
臨床症状が見られている場合に、去勢手術だけで対応するというのは理に適いません。
肥大している前立腺を早急に縮小させる必要があるためホルモン療法が行われます。
ホルモン剤には2種類あって1つは人間用もう一つは動物用なのですが中身の成分は同じです。
しかし実際に使用してみるとそれぞれに特徴があります。
人間用は即効性があり、動物用は持続性があります。
人間用は投与後数実で症状が治まりますが、動物用はや1週間程度かかるようです。
人間用は投与終了直後からその効果が薄れていき
動物用はその効果が6ヵ月持続すると言われています。
しかしいずれの薬剤も投与期間は7日までと決まっています。
これ以上の長期投与は認められていませんし、大変危険です。
上記の2つの方法を組み合わせる3の方法だと、短期間で前立腺を縮小させて
なおかつ再発させないようにできる、と言えます。
以前は頚部皮下に埋め込むタイプの薬剤も使用していましたが
ホルモン剤の長期暴露によって起こる副作用が見られたため当院では現在使用していません。
どうしても去勢手術が嫌だ、あるいはできない状況であるならばホルモン剤の投与(動物用)を
6ヵ月以上の間隔を取りながら行うということになりますが、
ホルモン剤はその種類に関わらず、副作用が多発しますので、できれば去勢手術を並行して行うことを
考えたほうがいいと思います。
当院ではホルモン剤(人間用)投与7日間の後、直ちに去勢手術を行うようにしています。
しかし持病などの問題から手術が選択できない場合には動物用ホルモン剤を症状の再発時に
再投与する、という方法をとっています。
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