岡本動物病院

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ニュースレター

症例紹介〜ヘルニア〜

院長 / ニュースレター / 2012.8.5 21:53

今回は色々なヘルニアを紹介します。
ただし「椎間板ヘルには」は除外しています。

まずは「鼠径ヘルニア」です。
お腹と後ろ足の付け根の部分を鼠径と言いますが、ここで腹筋と後ろ足の筋肉のつなぎ目が裂けてしまい
腹腔内の内臓が皮膚の下へ飛び出してしまっている状態を言います。

レントゲンではこのように写ります。

この症例では膀胱が入り込んでいました。


次も鼠径ヘルニアなんですが、ヘルニアの内容物がちょっと珍しいんですけど卵巣と子宮でした。
通常卵巣がここに落ち込むってことは考えられないんですが・・・

正直手術をしてびっくりでした。まさかこんなものがこんなところに、という感じでしたね。


この症例の発症原因ははっきりしなかったんですが、もう二度と見ることはないと思います。

次は陰嚢ヘルニアです。先ほどの鼠径部は腹腔内から血管が出ています。
オスの場合、生まれてすぐの時に睾丸は腹腔内にあり、成長と共に睾丸は鼠径部を通って陰嚢内に入ってきます。
この際の通路を鼠径輪と言いますが、ここが広くなってしまって内臓が陰嚢内に入ってしまう状態です。
実は私自身赤ん坊の時にこれになりまして、手術を受けています(記憶はありませんが)。
父親に「お前は脱腸だった」とよく言われてました。

右睾丸が大きく膨らんでいますね。
通常のヘルニア手術は「裂けてはいけないところが裂けている」わけで、その穴を塞いでしまえばいいんですが
陰嚢ヘルニアの場合、そこには血管と精管がありますので穴を完全に塞ぐことができません。
もっとも去勢手術を同時に行えばそれが可能なんですが、この時は去勢手術の許可がもらえませんでしたので
鼠径輪の縫縮(縮めるだけで閉鎖をしない)を行いました。

この症例はまだ子犬でしたから、生まれつき、ということでした。

次のレントゲン写真は「横隔膜へルニア」です。
横隔膜は胸部と腹部の境界となる筋肉で、呼吸をする際に重要な役割を持っています。
胸腔内は「陰圧」(真空状態)となっており、横隔膜が破れると腹腔内の臓器が一気に胸腔内に入り込みます。
その結果、心臓・肺が圧迫され呼吸困難となります。
原因は交通事故が圧倒的に多いですね。

写真向かって左側が頭なんですが、胸腔内の頭側に小腸のガス像が見えます。
この場合はお腹の臓器はお腹に戻してから破れた横隔膜を元の位置で縫合します。
その後胸腔内に溜まっている空気を抜いておかねばなりません。

最後は会陰ヘルニアです。
老齢のオス犬によく見られます。
大体は前立腺肥大に続発することが多いですね。

向かって左側、肛門の横が膨らんでますね。
肛門括約筋と尾、後ろ足の筋肉の継ぎ目が裂けて起こります。

裂け目に指を入れてみました。
この症例は発症してから時間があまり経っていなかったので筋肉がしっかり残ってましたのでそのまま裂け目を縫合しました。

時間が経っている時には筋肉が薄くなってそのままでは縫合できないこともあります。
と言うか、そっちのほうが多いですね。
その場合は、色々な方法があるのですが、当院ではシリコンプレートを装着することが多いですね。

白く見えているのがシリコンプレートです。

ヘルニアは外傷性(交通事故など)、先天性そして老齢性など色々な原因で起こります。
また、妊娠中や便秘中など強い腹圧がかかる状態の時にも起こります。
治療方法は裂けているところ閉鎖しなくてはいけませんので、全てのヘルニアで手術となります。
ただ、全身状態が悪くなっていることも多いので慎重な対応が必要ですね。

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