院長 / ニュースレター / 2012.10.10 20:43
今月は泌尿器系の疾患について紹介します。
まずは膀胱結石です。
この写真では日付のところをず〜と上にいくと丸い臓器があります。
それが膀胱で、その中に石があります。
この症例では腎臓にも結石がありますね。
そしてこれが摘出した石です。
大きさとしては大したことないんですが、いかんせん形が悪いですね。
層状構造となって、一段一段が鋭利な刃物状ですから、これが膀胱粘膜を鋭く傷つけて出血させてしまいます。
膀胱結石と一口に言っても色々な種類があります。
一般的にはストラ(ル)バイト結石、カルシウム結石が多いとされています。
最近ではこれらあるいは別の種類が混ざった混合結石も多くなってきています。
診断はレントゲン検査が一般的です。
通常はレントゲンに映るものが多いですから。
これは小さい結石がたくさんあります。
こちらは大きい結石がありますね。
しかし中にはレントゲンに映らないものもあります。
ちなみにこの症例はレントゲンではわからなかったですね。
しかし尿を顕微鏡で診てみると・・・
これは尿酸という成分です。
この尿酸結石は割と珍しいもので、レントゲンに映らないためエコー検査で確認する必要があります。
実際には結構大きな石でした。
もう一つ珍しい結石を・・・
これはケイ素を主成分とするケイ酸結石です。
これ自体が珍しいのに、通常は5mm程度の小さなものらしいのですがこれは大きかったですね。
これはレントゲンに映るんですが、骨盤骨折の疑いで撮ったレントゲン検査で偶然発見して手術したものです。
次は膀胱・腎臓の病気を・・・
この症例は交通事故で膀胱破裂を起こしていました。
鉗子を入れているところが破れているところです。
破れているものは縫わなければなりません。
次は水腎症と言って、腎臓の周りに水(尿)が溜まってしまう病気です。
こうなってしまうと腎臓は元の形を留めていませんし、機能は完全に破綻しています。
幸いもう片側の腎臓は正常でしたので、悪い方は切除しました。
そしてこれが摘出した腎臓です。
最後にこれまた珍しいものを・・・
これはウチの婦長の飼っていた犬から出てきました。
何かというと・・・「恥垢」です。
犬のオスはいわゆる包茎ですので、包皮内にチーズカスのようなものが貯まることがあります。
それ自体は特に異常ではないのですが、これはちょっと大きすぎですよね。
なぜこんな大きなものが溜まったのか?
理由はさっぱりわかりません。
結局、この後も何度か絞って取り出しました。
犬はなんの症状もなかったですね。
さて、いかがでしたか?
泌尿器系の病気では結石が有名ですけど、最近では食生活の影響もあってあまり見る機会はありません。
最近では機能的な異常、特に腎臓機能障害や腎不全が増えてます。
これは結石と違って手術で治す、というわけにはいきません。
時代と共に病期の種類も変わる、ということなんでしょうね。
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