岡本動物病院

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ニュースレター

歯周病

院長 / ニュースレター / 2014.11.3 11:25

歯周病について解説します。

テレビ等でもよく耳にする「歯周病」です。
ホントかどうかわかりませんが・・・日本人の70%は歯周病とか言ってますね。
おそらくほとんどの人が毎日歯磨きしているのに、どうして歯周病になるんでしょうか。
最近のテレビCMでは「歯医者さんに褒められるような歯磨き方法を」なんてちょっと
サディスティックなセリフもありますね。

さて、動物の方はどうかといいますと、人と違って歯磨きしないんですから
歯周病にならないわけがない、と思いますが・・・
どうやら人とは違って「なりにくい」ような気もします。
でも何年も経つとやはり・・・避けては通れないようです。

まず、歯周病の成り立ち、ですが・・・
食事をすると食べ物のカスが歯の間などにたまります。
これが時間が経つと「歯垢」となります。
この歯垢に口腔内の細菌が作用してできてくるのが「歯石」です。
歯磨きで除去できるのは歯垢までで歯石はブラッシングでは取れません。
その歯石は時間とともにその量が増えていきます。
最初は歯の溝あたりに付着していたものが徐々に大きくなっていき
歯の全体を覆うようになり、そして歯と歯茎の間に侵入していきます。
歯石は歯垢に細菌が関わって、と書きました。
つまり歯石は細菌の塊とも言えるわけです。
この細菌の塊である歯石が歯茎の中に入っていくことで歯周病となるわけです。
歯茎の中からどんどんと進行して入っていき、歯肉を壊死させて
最終的には歯の根っ子、歯槽まで入り込みその部位を化膿・壊死させて
歯が抜けてしまいます。
それを放置していくと歯だけではなく顎の骨まで壊死していくことも珍しくありません。
特に上あごでそれが起こると鼻腔にまで貫通して難治性のくしゃみの原因にもなります。


さて、今回ご紹介するのは残存していた乳歯が原因で歯周病を起こした事例です。

症状としては口臭が強いのは当然ですが
よく見ていると常に口を気にしていました。
舌をだして「くちゃくちゃ」と言う仕草が明瞭でした。
幸い痛みはさほどではなかったようで食事をとるには問題がありませんでした。

この犬は犬歯の乳歯が上下合わせて3本残っていました。
本来なら乳歯は永久歯が生えてくるころには自然に抜けるのが普通です。

左側が乳歯で右側が永久歯です。
小型犬ではこの様な事例が結構多くみられます。
理由としては体、口腔が小さいのですが、歯の数は大型犬と変わらない本数がありますから
いわゆる「場所が狭い」ためにおこる現象と考えられています。

こういう場合は乳歯を抜いてしまわないといけませんが
ただ抜くだけではなく、抜去部分に大きな穴があきますので
そこは縫合が必要になります。
これは別の部分の乳歯を抜去したのちに縫合したところです。


いずれの乳歯も抜去部分は化膿していました。
特に下あご(2本残存)は骨の中まで化膿が見られましたので当面抗生物質の投与が必要になります。

今回は残存乳歯の抜去と処置で終わりましたが、比較的軽症であったのが幸いでした。

よく聞かれるのですが「歯を抜いたらご飯が食べられなくなるのでは?」
いいえ、そんなことはないのです。
却って歯を抜いた後の方が、痛い部分がなくなるため、調子が良くなりますね。
人間と違って「咀嚼:食べ物を口の中でかむ」ことをしませんので
歯を抜いても全く関係ありません。

今回処置をした犬は10歳でした。
歯の処置をするにはちょうどいいタイミングだったと思います。

「なんだか口が臭うな」とか
「口をくちゃくちゃさせてるな」とか
「食べにくそうだな」とか
そういう症状がありましたら歯周病の可能性がありますので一度診察を受けて見られたらいかがでしょう?

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